赤字になったらお金がもらえる!確定申告で得する方法

「病気で欠勤するときは代わりの人を見繕わないと罰金!」などという独自ルールがあるブラックバイトならいざしらず、普通にお給料をもらって働いている人は、あまり赤字になることはない。しかし、自分が給与を支払う側だとか、フリーランスで働いているという人は、赤字になることがある。売り上げよりも経費のほうが多くなってしまった場合だ。

ビジネスはギャンブル。うまくいくこともあればいかないこともある。今まではなんとか黒字だったけど今年はついに赤字転落、残った借金をどうやって返済していくべきか……こんな状況に陥ったときに、いい方法がある。今年の損失を、去年の利益と相殺して、去年の利益が少なかったことにできるのだ。

といっても、去年の利益の一部が消えてなくなるという意味ではない。実際には去年の利益はそのまま全部自分のものになっている。ただ架空の話として、少なかったことにするのだ。そうすると何がお得かというと、少なくなった利益で税金を計算できるから、税金が安くなる。計算上安くなった税金と、実際に去年納付した税金との差額を、返してもらえるのだ。

ただし、この制度は青色申告でしか利用できない。確定申告には、青色と白色がある。白色は家計簿をつける程度の簡単さだが、青色は色々とこみいった作法を用いる必要がある。手間がかかって面倒な代わりに、お得になる特典もついてくるというわけだ。その特典のうちの一つ、赤字のときにお金がもらえる制度は、所得税法の140条に書いてある。

第百四十条  青色申告書を提出する居住者は、その年において生じた純損失の金額がある場合には、当該申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。

一  その年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額につき第三章第一節(税率)の規定を適用して計算した所得税の額
二  その年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額から当該純損失の金額の全部又は一部を控除した金額につき第三章第一節の規定に準じて計算した所得税の額

「申告書の提出と同時に」という所がポイントだ。あとになって何かの拍子に思い出して請求してもダメ。実際、過去にそのような裁決がおりたことがある。平成5年8月16日、後から請求しようとした人が税務署に断られたことを不服として、国税不服審判所に審査請求をした。

国税不服審判所とは、税務署とは別の行政機関であり、税金に関係した審査請求に対する裁決を行っている。審査請求とは、その処分をした行政機関とは別の行政機関に対して行う不服申立てのこと。審査請求なら、「ダメ」と言ってきた本人にもう一度お願いするわけではないから、「ダメ」という処分がくつがえる可能性も十分にある。

しかし今回の請求人の場合はくつがえらなかった。そのときちょうど外国にいたから後になってしまったとか、そもそも勘違いして後からでも大丈夫だと思っていたとか、いろいろと言い訳をしていたが、結局ダメなものはダメ。平成6年10月17日、国税不服審判所は税務署の処分が妥当であるという裁決をした。

1年以上も待たされて、しかもお金ももらえない……こんなみじめな思いをしないですむように、赤字になったときはすぐにお金を請求しよう。白色の人は、お金を払って税理士に頼むか、お金がなければ自力で青色に挑戦してみよう。ただ、今まで一度も黒字になったことがない場合は利用できない。まず黒字にすることから始めよう。

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画像:『無料の写真 – Pixabay』
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