ダウンタウン松本、女子大生ストーカー殺人未遂の加害男性に死刑を望む

[3行まとめ]
①漫才師の松本人志が殺人未遂を起こした男性の死を望んだ
②日本の刑法では死刑にはならない
③法を無視して人の命を奪うことのほうが犯罪

2017年2月22日、ニャンニャンニャンのねこの日、一つの裁判員裁判が行われた。アイドル活動をしていた女子大生にファンの男性が怪我を負わせた事件だ。男性は彼女に声をかけたり贈り物をしたりしたが拒否される。純粋な好意を否定されてしまった彼は、悲しみと怒りにさいなまれナイフで彼女を刺したという。

この加害者男性に対して、『ワイドナショー』の松本人志が以下のような暴言を吐いた。被害者の彼女の強さもあってたまたま未遂だっただけで、本当は殺人と同じ。34回も刺したんだから34人を殺したのと同じ。裁判での態度も悪かった。反省していない。犯人は若いから30代で刑務所から出てくるかもしれない。GPSをつけてほしい。死刑にはできないのか。こういう事件を聞くとゴッドファーザー(殺し屋)が頭に浮かんでくる……

番組弁護士の話によると、一般的に殺人未遂の場合は懲役5,6年くらいになるという。殺人既遂の場合と同様に死刑や無期懲役の可能性もないわけではないが、未遂ということで刑が軽減される。ダウンタウン松本は、自分勝手な屁理屈を並べて未遂を既遂にすり替え、一人の男性の命を奪おうとしている。

しかも、未遂にも種類があることに松本は思い至らないようだ。刑法の43条を見てみよう。

刑法第43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

被害女性をナイフで刺した後、加害男性は自ら救急車を呼んでいる。彼が自己の意思により殺人という犯罪を中止したということだ。刑法第43条に従って、加害男性の刑は減免されるか免除されなければならない。死刑などもってのほかである。

被害女性が加害男性の死を望むのはしかたない。大抵の人が共感する気持ちだ。しかし松本は何の被害も受けていない。突然しゃしゃり出てきて何の関係もない一市民を死刑にさせようと目論む松本の思考は危険である。刑法の枠を乗り越えた犯罪的な意見だ。

自分が気に入らない奴は死刑にしたいとか、マフィアに依頼して暗殺してもらいたいなどと言っていたら北朝鮮と同じになってしまう。権力の恣意的な運用を避けるためにこそ、近代国家は法を整備してきたのではないか。法律は国会で作られる。国会議員は主権者の代表。我々国民が合意して作った刑法を無視するダウンタウン松本は何様のつもりだ。芸能人の思い上がりここに極まれり。

画像:『無料の写真 – Pixabay』
https://pixabay.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。