差別主義者は不潔で体が弱かった。進化心理学が示す意外な事実

[3行まとめ]
①人を差別する気持ちはみんなが持っている
②不潔で弱い人ほど差別意識が強い
③手を洗ってキレイにすれば差別しなくなる

「韓国人は出て行け!」「犯罪者は死刑にしろ!」威勢よく大声で叫ぶ差別主義者たち。一貫した断固たる主張を聞いていると、彼らは人間的に優秀で強い人のように思えるかもしれない。しかし、進化心理学からは全く逆の知見が示されている。差別主義者は心だけでなく体が弱く、しかも衛生的に不潔だということが判明した。どういうことか。

進化心理学とは、ダーウィンの進化論の原理を人間の心に応用した学問である。元々は首の短かったキリンが今では首が長いのは、首の長いキリンだけが高所のエサを食べて生き残ってこられたから――進化論の説明としてよく挙げられる例だ。この進化論が、人間心理を生物の視点から説明する。

進化心理学に詳しい大学教授の森津太子氏によると、差別意識というものは全ての人間が持つものであり、それは進化の過程で獲得された、生存上有利な性質だという。

太古の人類は、衛生的な観念を持っていなかった。ことあるごとに感染症が広がり仲間がバタバタと倒れていった。いつ自分が発症するかわからない恐怖の日々。この厳しい環境を生き延びた一部の人は、ある特徴を備えていた。差別思想だ。

生き延びた一部の人は、自分たちと違う外見の人を避け、排除していた。細菌やウイルスなどの検査技術がなかった当時、相手が病気に感染しているかどうかは見た目で判断するしかない。見た目が変な人を忌避することにより、結果的に感染症リスクを低減させた一団が生存競争を勝ち抜いた。

その子孫が我々だ。ゆえに全ての現代人が差別意識を内在させている。しかし、差別が生存上有利だったのは太古の昔の話である。文明が発達する前の、狩猟採集時代の環境に適していただけで、現代社会には合わない。そこで、差別意識を減らすための方法が模索されてきた。

森教授は次のような心理学の実験を紹介している。差別意識が感染症を避けるためのものならば、別の方法で感染症が防げればいいという考えのもとに行われた実験だ。被験者を手を洗うグループと手を洗わないグループに分け、両者の差別意識を比較した。すると、手を洗った人は差別意識が低下していた。

手の雑菌を洗い落として感染リスクを抑えると、もはや他人を差別して身を守る必要はなくなる。もともと体の抵抗力が弱くて感染しやすい人ほど差別意識が強く出ることも判明した。弱いからこそ、周囲の脅威におびえて過剰なほど避けなければならないのだ。弱い犬ほどよく吠える。

弱い犬には弱い犬なりの生き残り戦略があった。しかし、周囲を差別してみっともなく逃げまわる以外にも戦略はある。それは、強くなることだ。差別主義者は、手を洗って強くなれ。外から帰ってきたときや、トイレに行ったあとなど、こまめに手を洗うようにしよう。そうすれば差別から足を洗うことができる。

画像:『無料の写真 – Pixabay』
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