『嘘の戦争』草なぎ剛と市村正親のキスシーンが放送されなかった理由とは?

関西テレビの火曜ドラマ『嘘の戦争』、2017年2月14日に放送された第6話ラスト、草なぎ剛(42)と市村正親(68)のシーンについて奇妙な憶測が飛び交っている。市村演じる仁科は心臓に持病があり、突然倒れた。草なぎ演じる一ノ瀬は心臓マッサージこそしたものの、人工呼吸は行わなかった。

キスシーンになってしまうので、ジャニーズNGが出たのだろうか。アイドルはファンの気持ちを再優先する。仁科の蘇生を心底願う一ノ瀬による熱烈な人工呼吸は、さぞかし草なぎに憧れる女性ファンをがっかりさせてしまうことだろう。人気を保つためには、いかにドラマ上必要な場面であったとしても、カットするしかない。

他方で、いくらジャニーズとはいえ中年のおじさんと高齢のおじいさんとのキスシーンは見たくないという視聴者もいたかもしれない。テレビはスポンサーの出すお金で成り立っており、スポンサーは消費者の出すお金で成り立っている。見ている人に嫌悪感をもよおさせる汚いシーンを放映するわけにはいかない。

別の角度からの意見もある。心臓病についての正確な情報を広めている日本心臓財団によると、倒れているのが成人の場合、詳しい知識のない一般人は人工呼吸は行わなくていいというのだ。心臓マッサージだけでも救命率は同じかむしろ少し高いくらいだという研究結果が出ている。

心臓マッサージのやりかたは簡単。自分の左右両手の手根(手のひらの一番手首側の部分。足でいえばかかと)を同じ向きに重ねて、仰向けに倒れている人の胸の上に置く。正確には、2つの乳首を結ぶ線分の中点。肘を曲げないで、鉛直下向きに強く押す。長押しはせず、すぐに力を抜く。ただし手は胸から離さない。テンポは1分に100~120回。

ただ、心臓マッサージよりも優先すべきことがある。周囲の安全確認だ。瓦れきが崩れてきたりしたら蘇生どころではない。安全が確保できたら、倒れている人の肩を軽くたたきながら大声で呼びかける。反応がなければ周囲に向かって大声で叫び助力を依頼。119番に電話してもらったり、近くにAED(心臓を正しく動かす機械)があれば持ってきてもらう。それから、倒れている人に呼吸がなければ、心臓マッサージをする。

呼吸がなければ、新しい酸素は取り入れられない。しかし日本救急医学会によれば、10分程度ならある程度の血中酸素濃度が保たれているという。止まってしまった心臓の代わりに心臓マッサージで血液を体全体へ送り届けることは、専門家が到着するまでの有効な時間稼ぎになるのだ。

一ノ瀬の場合、救急車を呼ぶこともなく、いきなり心臓マッサージを始めた。近くに仁科の秘書がいることを知っていたにもかかわらず、呼びに行こうともしなかった。救急蘇生の手順としては誤りである。ただ、人工呼吸をしなかったことは正解だった。人工呼吸をしたほうがいいという誤解を世間から払拭するには一役買っただろう。

いつ誰が急に意識を失って倒れるかわからない。それがあなたの大事な人だったらどうするか。大事な人の命を守るために、草なぎと市村のキスシーンはダメ、と覚えておこう。

画像:『無料の写真 – Pixabay』
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