SMAP木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』←こんな医者になるな!

2017年1月15日(日)21:00、TBSテレビのヒューマンドラマ『A LIFE~愛しき人~』第一回が放送された。昨年末の解散で話題となった人気アイドルグループ『SMAP』の木村拓哉(44)が、職人的な医療技術を持つ医師・沖田を演じている。

沖田は、ある病を患った老人の手術を請け負ったが、その手術は日本では前例がない。もうけを優先する大病院側の医師は、リスクの高い手術は避けるべきと主張する。対して沖田はあくまでも患者ファーストを貫き、孤立しながらも手術を成功させ患者の命を救った。

難しい手術にもひるまない沖田に、新米医師が「怖くないんですか?」と尋ねたシーンが印象的だ。沖田は、「怖いなら手術しちゃいけない。怖いってことは、準備が足りてないってことだ」と答える。沖田が失敗を恐れない理由は、準備万端整えていたからだったのだ。

昨日・一昨日と2日間実施された大学入試センター試験は、おそらく大勢の受験生たちが不安な気持ちで迎えたに違いない。遅刻しないだろうか、忘れ物はないだろうか、正しく解答できるだろうか……失敗への恐れは、事前の準備で軽減させることができる。

恐れを抱かず平常心で臨めば、最低でも通常のパフォーマンスを発揮できる。いつも以上にうまくいくわけではないが、失敗は避けられる。それはつまり、成功ということだ。

沖田のアドバイスに感銘を受けた新米医師に、利益優先のベテラン医師が「あんな医者になっちゃだめだよ」とクギをさす。「あんなことをしていたら身がもたない」というのだ。

沖田はこれまで6000件以上の手術をこなしてきた。10年前まではあまり手術をさせてもらえなかったらしいので、10年間で約6000件ということになる。1年で600件。毎日1件やり続けても間に合わない。しかもその1つ1つに入念な事前準備をしている。確かに普通は身がもたないだろう。

「あんな医者になっちゃだめだよ」という意見には、筆者も賛成する。そう、なっちゃいけないのだ。沖田のような医師に、沖田のようではない医師が、なろうとしてはいけない。一時的には平気に見えても、いずれ耐えられなくなる。身がもたない。患者側にもとばっちりがくる。

沖田は、なろうとしてああなったのではない。自然になっていただけなのだ。沖田は血管を糸で結ぶ練習をするなど、プライベートでも医療技術の向上に余念がない。がんばって勉強しているというよりは、彼自身がそれをしたいからしているという感じだ。

自分がしたいことをしているから、何日でも何年でも続けられる。ずっとやっていれば、技術は勝手に向上する。我慢したり無理したりして努力しているのではない。そういう自然な営みが半ば自動的に、沖田という職人的な医師を形成するに至ったのだ。

これは医療業界に限った話ではない。俳優になりたい、歌手になりたい、アイドルになりたい…… なろうとしてなるのは困難だ。俳優等が備えるべきものを、自然に好んで自然に身につけていった人が、自然に俳優等になっていく。

なりたいものに、意図的になっていく道は、つらいものである。夢を押しつけられるのは、苦しいことである。一人一人、各自の自然な感情に沿って生きていこう。楽しく、気分よく、なるべきものに自然となっていくはずだ。

画像:「日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』|TBSテレビ」
http://www.tbs.co.jp/ALIFE/

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